今回はモモのの丸モモ(シンタマ)に焦点をあてて見て行きます。
丸モモ = トモサンカク + シンシン +カメノコウ +端材
に分かれます。
トモサンカクは上カルビに見劣りしない焼肉用が取れます。
シンシンもロースかとおもうほどのステーキになります。
このシンシンが関東圏ではかつてロースと呼ばれていたことも
あるようです。
ブログ「肉屋なう!」で動画もみれます。
丸モモ・シンタマの動画はこちら
モモの中で一番複雑なブロックといっていいかもしれません。お肉の構造をよくしらないと、あらぬところで固い筋に出会います。
シンタマの体表側の脂肪をひいた写真です。
真ん中の脂肪のところで2つに分かれます。
右側がトモサンカク、左側がシンシン・カメノコです。
トモサンカクを分解しました。
トモサンカクはモモの中でも一番といっていいほど霜降りが入る部分です。きれいに脂肪を除去
この肉繊維の目にあわせて、焼肉用の冊どりをしていきます。
上記の柵を焼肉カットしていくと、きれいな霜降りの断面が現れます。牛トモサンカク焼肉用(希少部位)として販売すると単価も取れます。実際、モモ肉の他の部分より、コクがあり、おいしいです。
次にカメノコ・シンシンを見ていきます。写真は上記でトモサンカクを分割したあとのシンタマです。
写真手前のほうにシンシンが見えているので、丁寧に包丁をいれ、カメノコ(+端材)を剥がしていきます。
写真上部がカメノコ(+端材)、下部がシンシンです。
シンシンはステーキも取れるやわらかい部位です。やっかいなことにこのシンシンには、お肉の真ん中に一本筋があります。
そんなに固いすじではないので、無視してこのままステーキ用にカットしていっても大きな問題はありません。今回は真ん中の筋を取っていきます。
この真ん中の筋でシンシンを2分割できます。
筋はきれいに除去します。
このブロックを柵どりすれば、焼肉用にもミニステーキ用にもなります。
シンシンの柵どり 断面です。
この断面の形と霜降りの入り具合がロースに似ている為、かつて関東方面ではロースとして提供されていた過去があるようです。
カメノコは若干固いため、あまり焼肉用やステーキには向きません。バラとあわせて切り落としにするか、しゃぶしゃぶ用などにするときれいな色の商品になります。
上記はあくまでも一例です。
夏場や冬場、クリスマス・正月商戦などのイベントで、カット方法は変化していきます。売れ行きの悪い平日なら、モモ肉はある程度、筋脂肪を除去するだけで、まるごと切り落としにしたほうが、良い場合もあります。
利益計画をもとに、商品の売れ筋や原価をお店のチーフが判断しなければなりません。
ここがお肉屋さんのむずかしいところでもあり、また醍醐味であると思います。