内臓肉には 消化器系、循環器系、呼吸器系、その他副産物があります。
メジャーなものをご紹介します。
牛タンは一頭から1.6~1.8Kg程度取れます。やわらかく味があり人気の部位です。
必然と値段も高くなります。写真左側がタン元です。非常に脂がのっていて、厚切りでもやわらかく食べられます。塩コショウ・レモン汁でどうぞ。
写真右側のグレー色で細くなっているほうはタン先です。こちらは固くなるので、煮込み料理に適しています。
第一胃の胃袋です。通称ミノ。
最初に飼料が通るためコリコリした食感です。固い皮に覆われていて、半分は食用に耐えられない固さです。一頭から0.4kg程度ですが、可食部は0.2kgほどになります。
コアなファンのいる部位です。
次は第二胃です。通称ハチノスです。模様が蜂の巣のような形をしています。日本ではあまり食べませんが、フランス料理などでよく使われます。
第三胃です。通称センマイです。グロテスクな色と縦横無人に走る小突起が特徴です。
概観から敬遠されがちですが、食感はとてもよく一度食べると病み付きになります。味が薄いので甘いタレか味噌をつけて食べます。
第四胃は赤センマイです。真っ赤です。関東方面ではギアラ(ビッシュ)という名称で親しまれています。
コリコリとした食感で味わいもあります。煮込み料理にも最適です。
4つの胃の中でようやく胃酸が分泌されます。そのため、表面がぬるぬるしています。
小腸です。一頭から取れる量は9kg程度と内臓肉の中では最大です。
ぷりぷりした脂と皮の食感が人気でもっとも良く食べられています。焼肉はもちろんのこともつ鍋にもぴったりです。
小腸を管状のままにした丸腸も人気アイテムです。
大腸です。シマチョウ、テッチャンとも呼ばれます。多くの焼肉屋でこれが上ホルモンとして提供されます。小腸は並ホルモンとなります。
表面の縞縞が特徴です。小腸ほど内側の脂がついていません。
一頭から2kgほど取れます。食感も程よい歯ごたえで人気のホルモンです。
牛の脾臓です。太刀のようなカタチをしているからでしょうか、タチギモとも呼ばれます。薄皮を剥ぐとレバーよりもどす黒い、羊羹のようなものが現れます。
ごま油と塩で食べるレバー刺し、焼きレバーが人気です。一頭から8kgほど取れます。量が取れる割には、他のホルモンほど人気がないので一番処分に困ります。(笑)
牛レバーで気をつけなければならないのが、レバー刺しといわれる生で食べる場合です。現在国内で生食ができるレバーを提供する食肉処理場はほとんどありません。九州圏内では0と聞いています。ただ、多くの焼肉屋でレバー刺しが提供されている現状は注意が必要です。必ずお店の人には確認をとりましょう。
昔は新鮮であれば、お肉屋さんも生食できますといっていましたがいまは取り締まりが厳しいので、小売店は生食用で売らないはずです(もちろん生食用処理されたものであれば別ですが)。どんなに新鮮でも生食は食べる人の責任です。
(*現在レバーの内部からもO157が発見され、今後生食はできなくなるでしょう)
上記のほかにも 直腸(テッポウ)、ノド(ウルテ) 膵臓(シビレ)などが
ありますが、あまりメジャーではないので割愛します。
ハツ(ココロ、ハート)
牛の心臓です。この心臓は学長がもっとも好きなホルモンです。食感がよく、やわらかい。とくに心臓周りの脂肪は甘く美味です。以外と臭みはなく、心臓だと知らず食べた方が知ってびっくりすることの多い部位です。
ハツモト(コリコリ、タケ)
心臓についてる動脈です。こりこりした食感からコリコリとも呼ばれます。珍味です。
プップギ(フワ、肺)
牛の肺です。新鮮なものでもすこしにおいがあります。フワフワしたなんともいえない触感です。食感も同様です。色は朱色とゆうのでしょうか、とてもきれいな赤色です。
マクミです。
牛タンとならぶホルモンの王様といえます。焼肉屋さんにいってやはり食べたいのがマクミですよね。国産の上物はやわらかく脂に甘みがあり美味です。
マクミは横隔膜です。変色が早いため、お肉屋さんもみかけることが少ないでしょう。要予約です。
ちなみに外国産のマクミ(アウトサイドスカート)が出回っていますがやはり味わいが足りません。
サガリです。ぶらんと1本ぶら下がるようについています。
マクミと同じ横隔膜ですが、マクミよりは若干歯ごたえがでてきます。マクミと混ぜ込まれて提供されることもあるようです。マクミとサガリが別々に商品化されているお店が良心的であるといえます。
一昔前まで、安売りの焼肉用といえば、アメリカ産のサガリ(ハンキングテンダー)でした。ソフト焼肉やハラミ焼肉といって100g100円程度で販売されていました。現在でも比較的安い部位ですが、以前ほどではありません。
ホホ肉(ツラミ、カシラ肉)
ほっぺたのお肉です。内部に筋が入っているのですが、焼肉にしてもおいしく食べれます。筋はすぐにトロんとなります。
テール(尾、尻尾)
韓国料理のスープなどでよく使われる牛の尻尾です。濃厚な出汁がでて、身はやわらかく美味です。ただし可食部が少ないので、実質高値になるため敬遠されることも多いようです。
上記のほかにも地域特有のものや、さらに細かく分類されたものがありますが割愛します。