お肉屋さんを経営するためには、食品衛生法にもとづいた各種許可が必要になります。あまりよく理解していない食品店や飲食店も多く存在し、「実はそれ法律違反ですよ」といったことが、多々行われています。
そういったことを避けるためにも理解しておきたいですね。
最初に肉屋の営業に関係する許可の種類を下記表にまとめました。
許可の種類 | 規定 |
保健所見解 (大分市) |
食肉処理業 | 畜産物をと畜、もしくは解体し、または解体された鳥獣の肉、内臓等を分割し、もしくは細切れする営業をいう。 | 肉の割合が50%以上の精肉を加工・卸 |
食肉販売業 | 牛・馬・豚・めん羊・山羊・家兎・鶏・野獣鳥の生肉及びその他食用に供するものを販売する営業をいう。 | 肉の割合が50%以上の半製品、もしくは精肉を加工し、販売 |
食肉製品製造業 | ハム・ソーセージ・ベーコンその他これらに類するものを販売する営業をいう。 |
肉の割合が50%以上の食肉製品の製造・販売 ※食品衛生管理者の資格が必要 |
惣菜製造業 | 通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む)、焼き物(炒め物を含む)、揚げ物、蒸し物、酢の物または和え物を製造する営業をいう。 | 肉割合50%以下のものを製造、卸。 |
飲食店(惣菜)営業 | 一般食堂、料理店、すし店、蕎麦屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェ、バー、キャバレーその他、食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる施設 | 飲食店(惣菜)営業の場合、肉割合50%以下のものを製造(調理)、提供 |
用語として出てくるもののうち、おさえておきたいのは
「製造」と「加工」の違い
「卸」と「販売」の違い
です。
製造とは「その原料として使用したものとは本質的に異なる新たなものを作り出すこと」
加工とは「あるものを材料としてその本質は保持させつつ、新しい属性を付加すること」
製造と加工の線引の判断のひとつとして、食肉を味付けして加熱したものは製造、加熱処理の無い半製品の場合は加工といった感じになります。
※かならずお近くの保健所に確認をとってください。
製造業のうちでも食肉製品製造業の許可をもらうためには後述する「食品衛生管理者」を配置する必要があります。これは保健所での講習で1日で取得できる「食品衛生責任者」とはことなります。
卸とは、食肉問屋が肉屋に枝肉や部分肉を下ろしたりなど、直接消費者に販売しない営業のことです。またお肉屋さんが学校給食などにお肉を収める場合にも必要です。
販売とは、消費者に直接販売する営業のことをいいます。つまり卸業務は販売の許可のみではできないということになります。
ただし、線引は難しいようで、食肉販売業が飲食店などにお肉を卸たりできないということはないようです。
食品衛生管理者は、食品を製造・加工する業種に配置することを義務づけられた厚厚生労働省管轄下の国家資格です。
飲食店などを開業したときに、保健所で講習をうける食品衛生責任者とは違います。
ウインナーやソーセージ、ハムなどの食肉製品を製造して、卸たり、一般消費者に販売するためには食肉製品製造業の許可をうけなければなりません。
この許可を受けるために、この食品衛生管理者を配置しなければなりません。
食品衛生管理者になるには、
大学で畜産学・獣医学や厚生労働大臣登録の登録を受けた大学で食品栄養学などの単位を取得すれば、食品衛生管理者の資格を取得することができます。
これから資格を取ろうという方は、厚生労働省が毎年東京で実施する講習会に参加することになります。ただし、講習会の期間は長く、費用もかなりかかりますので、ハードルは高い資格です。
より詳しくは、
のページをご覧ください。
食肉製品は加工ではなく製造のレベルです。ウインナ、ソーセージ、ハムのみならずチャーシューやハンバーグなど、加熱処理されたものを販売するためには、食品衛生管理者が必要となります。
ただ食肉製品でも、野菜や煮汁などを一緒に盛り付け、食肉製品の割合が50%以下のものは、惣菜の範疇となり、惣菜製造業の許可で問題ありません。